専門委員会成果物

EPOがAnnual Report 2015を公表

  欧州特許庁(EPO)は,2016年3月3日,Annual Report 2015を公表した。
 2015年の欧州特許出願件数(直接欧州出願およびPCT出願の合計)は278,867件(前年比1.6%増),EPOへの特許出願件数(直接欧州出願と,欧州段階に移行したPCT出願との合計)は160,022件 (前年比4.8%増),特許登録件数は68,421件(前年比5.9%増)であった。
 バティステリEPO長官は,「EPOへの特許出願の増大は,欧州が世界中の革新者のためのハブであり,魅力的な技術市場であり続けることを示している」と述べている。
 また,同レポートによると,過去数年EPOの内部構造の近代化や効率性向上がうまくいっており,特許審査官によって交付された調査や審査等の成果数が前年比14.0%増大し364,739件となった。
 以下,国籍,出願人および技術分野別の統計を示す。

[EPOへの特許出願の出願人の国籍]
EPOへの特許出願の出願人国籍別の出願件数(前年比増加率)は,

1位: 米国   42,692件  (+16.4%)
2位: ドイツ 24,820件  (-3.2%)
3位: 日本   21,426件  (-3.1%)
であった。韓国は7位の6,411件(+4.0%),中国は8位の5,721件(+22.2%)であった。

[EPOへの特許出願の出願人]
EPOへの特許出願の出願人別の出願件数(前年順位)は,

1位: フィリップス  2,402件  (2位)
2位: サムスン 2,366件  (1位)
3位: LG 2,091件  (4位)
であった。同レポートの出願人分類におけるトップ10社の国籍は,欧州(4社),米国(3社),韓国(2社)および中国(1社)であった。日本企業のトップは,13位のトヨタ自動車1,034件であり, トップ25社のうち日本企業は4社(トヨタ自動車,ソニー,パナソニック,キヤノン)であった。

[特許登録された出願人の国籍]
特許登録された出願人の国籍別の登録件数(前年比増加率)は,

1位: 米国   14,950件  (+3.9%)
2位: ドイツ  14,122件  (+7.9%)
3位: 日本   10,585件  (-4.8%)
であった。韓国は8位の1,987件(+5.1%),中国は9位の1,407件(+18.6%)であった。

[EPOへの特許出願の技術分野]
EPOへの特許出願の技術分野別の出願件数(前年比増加率)は,

1位: 医療技術 12,474件  (+11.0%)
2位: デジタル通信 10,762件  (+3.2%)
3位: コンピュータ技術 10,549件  (+7.8%)
であった。著しい成長を示した他の分野は,「エンジン,ポンプおよびタービン」(+17.9%),「医薬品」(+9.6%)および「測定」(+8.0%)であった。

(EPOニュースリリース)
http://www.epo.org/news-issues/news/2016/20160303.html

(EPO Annual Report 2015)
http://www.epo.org/about-us/annual-reports-statistics/annual-report/2015.html

(参照日2016年3月8日)

(浅井 隆一)    

  
Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.