専門委員会成果物

訴訟手続き失策を理由とした地裁のDefault JudgementをCAFCが支持した事例

CAFC判決 2016年12月15日
United Construction Products, Inc., et al. v. Tile Tech, Inc.

[経緯]

United Costruction Products, Inc.(U社)は,建築資材の「タイルを固定するためのアンカーワッシャーを有する支持台」に係る特許(8,302,356)の特許権者であり,Tile Tech, Inc.(T社)に対して この特許を侵害しているとして差し止めを求める申し立てを地裁に行った。訴訟の過程を通じて,T社がディスカバリー要求に対して強制命令を含め繰り返し応じなかったことを理由に,地裁はU社のすべての主張を認め, T社製品を恒久的に差し止めるDefault Judgementを下した。
  T社はCAFCに控訴し,CAFCはDefault Judgementと差し止め範囲の妥当性について検討を行った。

[CAFCの判断]

CAFCはDefault Judgementの妥当性について,Malone Factors“(1)the public’s interest in expeditious resolution of litigation;(2)the court’s need to manage its docket; (3)the risk of prejudice to the [other party];(4)the public policy favoring disposition of cases on their merits;(5)the availability of less drastic sanctions.”のそれぞれについて 考察を行った結果,(1)〜(3)および(5)のFactorsについては該当しないが,Default Judgement判断に重視されるFactor(4)に該当するとし,地裁のDefault Judgementは妥当であるとした。
  また,T社の差し止め範囲が広すぎるとの主張に対しても,地裁の判断は妥当であるとした。
 以上より,CAFCはT社の主張を破棄し,すべての地裁判決を支持した。

(辻内 幹夫)

Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.