専門委員会成果物
実施例に非難的に記載された構成が，クレームに含まれないとした例，および，装置と方法の両方を含むように見えるクレームの記載であっても装置のcapabilityを表すと判断した事例
CAFC判決 2016年３月1日UltimatePointer, L.L.C. v. Nintendo Co., Ltd., Nintendo of America Inc.
［経緯］
UltimatePointer, L.L.C.（Ｕ社）が，Nintendo Co., Ltd.およびNintendo of America Inc.（２社をまとめてＮ社）に対して，Ｎ社が販売しているvideo game systemが， Ｕ社の特許8,049,729を侵害するとして，地裁に提訴した。争点は主に以下の�，�よび�△任△辰拭� �� クレームの「handheld device」が，（a）direct-pointing deviceに限定されるか，または（b）direct-pointing
deviceに加えindirect-pointing deviceも含むか。Ｎ社は （a）であると主張し，Ｕ社は（b）であると主張した。
�� 装置クレーム中の「said image sensor generating data…」について，クレームが，装置（image sensor）と方法（generating
data）の両方を含み，装置が組み立てられた ときに侵害が発生するのか，または，装置が使用されたときに侵害が発生するのか。
地裁は�△砲�いてクレームが不明確として特許無効と判断した。
［CAFCの判断］
�，砲弔い董ぃ媼劼蓮�handheld device」のordinary meaningはdirect-pointing deviceに限定されないと主張したが，CAFCは，direct-pointing deviceと比較して indirect-pointing deviceを非難する記載を実施例に繰り返し記述していること（repeated derogatory statements）を根拠に，direct-pointing deviceに限定されると判断した。また，�△砲弔い討蓮�CAFCは過去の判例を参照し，「generating data」はimage sensorのcapabilityを表しており，実際にデータが作られる必要は無いと判断した。このため， クレームは，装置と方法の両方を含まないとして，地裁へ差し戻した。
クレームおよび実施例を作成する際に，繰り返し非難する記述（repeated derogatory statements）を実施例に記載すると，クレームが限定解釈される場合があることに留意したい。
（山代 大輔）
