専門委員会成果物

Mayo/Alice最高裁判決で判示された101条に基づく特許適格性の2ステップによる判断基準を適用し,特許不適格と判断した事例

CAFC判決 2015年12月28日
Vehicle Intelligence and Safety LLC v. Mercedes-Benz USA, LLC and Daimler AG

[経緯]

 Vehicle Intelligence and Safety LLC(V社)は,V社が保有する設備オペレーターの障害検出方法とシステムに関する特許(7,394,392)をMercedes-Benz USA, LLC and Daimler AG(M社)が 侵害しているとして提訴した。それに対してM社は当該特許の無効化申請を行った。地裁は101条に基づき,争点となっているクレームは定期的なデータ収集ステップと慣用のコンピューターの働きを 組み合わせた抽象的なアイデアを包含しているのみであり,特許不適格であると判断した。それに対してV社は控訴した。

[CAFCの判断]

 CAFCはMayo/Alice最高裁判決で判示された101条に基づく特許適格性の2ステップによる判断基準を争点となっているクレームに適用した。その結果,ステップ1で特許不適格とされる抽象的アイデアに 該当し,ステップ2で特許不適格なコンセプトを特許適格とするに足りる発明概念がクレームに存在しないと判断し,地裁の判決を支持した。

(堀江 暁)

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