外国特許ニュース

〈中国〉「WIPOの人工知能ベース特許文献翻訳ツール」について

2016年10月31日,WIPOは人工知能に基づく特許文献翻訳ツールを開発したとするプレスリリースを発表した(※1)。その数日後の11月4日には,中国国家知識産権局のwebサイトでもその紹介記事が 載せられた(※2)。中国側が注目していることが窺える。以下,その概要を説明する。

プレスリリースによれば,WIPOは人工知能に基づく特許文献翻訳ツールを新たに開発した,とのことである。そのツールは中国語,日本語及び韓国語の特許文献を英語に翻訳するため“学習”を 行っており,ベータテストプラットフォーム(※3)で,中国語から英語の翻訳をすることができる。

高精度な中国語-英語翻訳は,中国国家知識産権局からWIPOのPATENTSCOPEデータベースに提供された6,000万の文と,USPTOへ出願されたその翻訳文とを比較することで,ニューラルネットワーク 機械翻訳ツールを学習することにより実現されたという。この特許文献翻訳ツールは特許文献に特化した学習を行っているため,高品質な翻訳が可能とのことである。その精度は最近のテストにおいて, 従来の統計ベースモデルによる翻訳ツールや,他のWIPO以外の翻訳サービスの性能を超えたという。

中国国家知識産権局のwebサイトでも,「WIPOの新型翻訳ツールは率先して中国語等を英語に翻訳する」というタイトルでWIPOの記事内容を紹介した。その中で,「2015年には中国はPCT国際出願件数が, 米国,日本に次いで3位であるため,WIPOは中国語,日本語及び韓国語の特許文献を英語に翻訳する学習を行った」,「中国は知的財産及び科学技術の実力が向上を続け,昨年14%を占めた中国の PCT国際出願は,今年17%-18%かそれ以上を占めると予想しており,『中国製造』から『中国創造』へ向かう戦略をとっている」と説明している。

(参考)

※1)WIPO Develops Cutting-Edge Trans-lation Tool For Patent Documents(参照日:2016.12.01)
http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2016/article_0014.html

※2)WIPO新型翻?工具将率先用于中文等??英文(参照日:2016.12.01)
http://www.sipo.gov.cn/zscqgz/2016/201611/t20161104_1299730.html

※3)WIPO Translate public beta test platform(参照日:2016.12.01)
http://patentscope.wipo.int/translate/demoNmt.jsf

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