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〈中国〉専利審査指南改正草案(意見募集稿)

 2016年10月28日,中国国家知識産権局は,専利審査指南改正草案(意見募集稿)を公表するとともに,11月27日期限でパブリックコメントを募集した。
 本意見募集稿では,実務上の要望に応え,ビジネスモデル特許保護の明確化,ソフトウェア関連発明の記載要件の明確化,化学分野の補足実験データ提出の許可,特許後の補正要件の緩和等について,提案されている。
概要は,以下の通りである。
  • 第二部分第一章(ビジネスモデル関連発明):「ビジネスモデルに係る請求項には,ビジネス規則と方法の内容以外に,技術特徴も含む場合,専利法25条に基づいた上で, その専利権を取得する可能性を排除してはならない」(第4. 2節)と明記する。
  • 第二部分第九章(コンピュータープログラム関連発明):「媒体+コンピュータープログラム」の方式による請求項の記載を認める(第2節)。また,装置の請求項の構成部に,ハード ウェアだけでなく,プログラムも含むことができる点を明確化する(第5. 2節)。さらに,「機能モジュール」を「プログラムモジュール」に表現を改める(第5. 2節)。
  • 第二部分第十章(化学分野発明における出願後の補足実験データ):「出願日以降に補足提出された実験データについて,審査官は審査を実施しなければならない。補足提出された実験 データにより証明される技術効果は,当業者が専利出願の開示内容から得られるものでなければならない」(第3. 5節)と規定する。
  • 第四部分第三章(無効審判段階における補正の緩和等):請求項にその他の請求項に記載する1つ又は複数の技術特徴を追加することで,保護範囲を縮小する補正を認める(第4. 2節,第4. 6. 2節,第4. 6. 3節)。また,上記方式による補正に対応して請求人が理由を追加する場合,当該補正内容だけを対象とする(第4. 2節)。
  • 第五部分第四章(閲覧・複製できる審査書類の拡大):出願人が送付した通知書,検索報告及び決定書も閲覧・複製できる対象に加える(第5. 2節)。
  • 第五部分第七章(財産保全):人民法院が専利局に財産保全の執行協力を要請したことにより,中止手続を執行している場合,専利局は民事裁定書及び執行協力通知書に記載する 財産保全期限に従って関係手続を中止する,等の規定を追加する(第7. 4. 2節,第7. 4. 3節)。

(参考ウェブサイト)
※1)中国国家知識産権局(参照日:2016. 11. 4)
http://www.sipo.gov.cn/tz/gz/201610/t20161027_1298360.html

※2)専利審査指南改正草案(意見募集稿)条文対照表(中文)(参照日:2016. 11. 4)
http://www.sipo.gov.cn/tz/gz/201610/P020161027606340120440.pdf

※3)専利審査指南改正草案(意見募集稿)に関する説明(中文)(参照日:2016. 11. 4)
http://www.sipo.gov.cn/tz/gz/201610/P020161027606340122018.pdf

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