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会務報告&部会報告
関西電気機器部会（第3回）
| 時 | 2021年1月26日（火）14:30〜16:30 |
|---|---|
| 所 | 講演会：日本知的財産協会 関西事務所会議室＋WEB |
| 人 | 役員：坂口（アイコム） 幹事：南（パナソニックIPマネジメント）、 高田（タイガー魔法瓶）、浅津（NISSHA） 会場：9名 WEB：52名(講師2名含む) 合計61名 |
議 事
１．開会挨拶
坂口役員が開会の挨拶をした。２．講演
| 演題 | 『株式会社シマノにおける知財活動の現状と課題』 |
|---|---|
| 講師 | 株式会社シマノ バイシクルコンポーネンツ事業部 技術開発部 技術戦略チーム 次長 兼 知的財産2課 課長 小松 厚志 氏 同知的財産 １課 課長 西野 高史 氏 |
講演内容：
西野さまに、会社紹介および知財活動をご説明いただき、次に、小松さまに権利行使事例をご紹介いただいた。- 会社紹介および知財活動
従業員数は単体で約1400人、連結で11400人、2019年、売上高は約3600億円、営業利益680億円、営業利益率18.7%で売上高の90％が海外市場のところ、自転車部品、釣具の開発・製造・販売が主な事業である。売上高のうち約80％が自転車部品で約20％が釣具となっている。知財部は、事業部の組織内に位置し、活動している。 発明発掘、権利化、権利行使、リスク管理、人材育成に関して、ユニークな活動内容をご説明いただいた。 - 権利行使事例
自転車部品の特許権に関する中国での侵害訴訟における原告のケースと被告のケースの双方の立場での実際の経験、E-commerceサイトにおける商標権に関する侵害対応、自転車展示会における模倣品に関するオフライン侵害対応などを、豊富な写真を交えながら、具体的にご紹介いただいた。
３．部会報告
坂口役員が今年度の部会活動計画を説明し、来年度の役員・幹事を紹介した。以上
関西二業種合同部会
| 時 | 2020年12月01日（火）14:30〜16:45 |
|---|---|
| 所 | 日本知的財産協会 関西事務所 会場参集型またはWeb参加型 |
| 人 | 【会場参加者】 役員：森本(ｸﾎﾞﾀ)､坂口(ｱｲｺﾑ) 幹事：浅津(NISSHA)､高田(ﾀｲｶﾞｰ魔法瓶)､南(ﾊﾟﾅｿﾆｯｸ)､中尾(DMG MORI)､月本(新明和）、 和田(神戸製鋼所) 講師：1名、他9名 合計18名 【Web参加者】 84名 |
議 事
１．開会挨拶
森本役員が開会の挨拶及び注意事項等を説明し、講師を紹介した。２．講演
| 演題 | 『企業活動におけるIoT/AIｱｲﾃﾞｨｱに対する実務上の注意点とAI学習用ﾃﾞｰﾀの保護』 |
|---|---|
| 講師 | 河野特許事務所 所長弁理士 河野 英仁 氏 |
講演概要
（１）講師経歴立命館大学情報ｼｽﾃﾑ学博士前期課程修了､米国ﾌﾗﾝｸﾘﾝﾋﾟｱｰｽﾛｰｾﾝﾀｰ知的財産権法修士修了､中国清華大学法学院知的財産夏季ｾﾐﾅｰ修了､MIT(ﾏｻﾁｭｰｾｯﾂ工科大学)ｺﾝﾋﾟｭｰﾀ科学･AI研究所AIｺｰｽ修了。 AI,IoT,FinTech,ﾋﾞｼﾞﾈｽﾓﾃﾞﾙ特許の他、米国･中国特許の権利化･侵害訴訟を専門とされ､著書は「世界のｿﾌﾄｳｴｱ特許(共著)」、「中国特許法と実務」､「FinTech特許入門」､「AI/IoT特許入門2.0」等。
（２）講演の内容
AI技術の基礎知識
発明としての提案の多い、ﾃﾞｨｰﾌﾟﾗｰﾆﾝｸﾞ､畳み込みﾆｭｰﾗﾙﾈｯﾄﾜｰｸ､ﾘｶﾚﾝﾄﾆｭｰﾗﾙﾈｯﾄﾜｰｸ､GAN(Generative Adversarial Network)､U-Net､深層強化学習というAI技術に係る基礎知識につき説明頂いた。特許事例を通じて学ぶAI特許発掘のｺﾂ
��Googleのﾄﾞﾛｯﾌﾟｱｳﾄ技術に関する特許(US9,406,017)､��INSIDESALES.COMのAIを用いたｺｰﾙｾﾝﾀｰに関する特許(US9,460,401)､��iROBOTのAI掃除ﾛﾎﾞｯﾄに関する特許(US9,836,653)､��ｵﾘﾝﾊﾟｽの画像認識に関する特許(JP6,656,357)､��DeepMindの機械学習に関する特許(WO2020-058,176)､��Hoverの3次元ﾋﾞﾙﾃﾞｨﾝｸﾞｱﾅﾗｲｻﾞｰに関する特許(US10,681,264)､��Mindstrongの認知機能推定AIに関する特許(US9,693,724)、の7つの事例につき、発明の概要、留意すべき点等を説明頂くことで、AI特許の発掘の勘所を説明頂いた。また、AI発明については、概ね3ﾀｲﾌﾟ(AIｱﾙｺﾞﾘｽﾞﾑ発明､AI利用発明､AI出力発明)にｶﾃｺﾞﾗｲｽﾞされるとの事で、各々の発明での特徴や請求項の作成の勘所を説明頂いた。
競合他社に効くAI･IoT特許請求項の書き方
AI特許につき、押さえておくべき請求項の形態として､�ヽ惱�ﾓﾃﾞﾙ生成方法(生成段階)､��学習ﾓﾃﾞﾙを用いた推測ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑ､�３惱�ﾓﾃﾞﾙ､ﾆｭｰﾗﾙﾈｯﾄﾜｰｸｼｽﾃﾑ､分類器､��AI要素特許､�イ修梁�ｶﾃｺﾞﾘｰ(装置､方法､ｼｽﾃﾑ)が有ること及びその具体例を説明頂いた。その上で、侵害発見の容易性や各国法令、AIに係る契約等といった視点から、AIﾓﾃﾞﾙの生成方法(生産方法)クレームが効果的である等、請求項作成におけるｺﾂを説明頂いた。
ﾃﾞｰﾀとAIの特許法以外の保護形態
AI技術に係るｱｲﾃﾞｨｱにあって､特許権では保護できない形態(ﾃﾞｰﾀ､学習用ﾃﾞｰﾀｾｯﾄ､学習済みﾓﾃﾞﾙにおける関数自体等)が有ることを説明頂く一方、このような特許権で保護されない形態のｱｲﾃﾞｨｱにあっても、一部は不正競争防止法や著作権法等で保護され得ることを説明頂いた。また、昨今のAI技術に対応すべく、学習用ﾃﾞｰﾀに関して特許法の法改正(直接侵害、間接侵害に係る条項の法改正)が検討されていることについて説明頂いた。 3．部会報告 関西電気機器部会については坂口役員が、関西金属機械部会については森本役員が、これまでの活動と今後の予定をそれぞれ説明した。
３．部会報告
関西電気機器部会については坂口役員が、関西金属機械部会については森本役員が、これまでの活動と今後の予定をそれぞれ説明した。４．その他
部会終了後に、下記の取り組みを実施した。次期業種担当役員予定者の挨拶
次年度の関西電気機器部会の役員となる予定の株式会社GSﾕｱｻの宇野元博様、及び関西金属機械部会の役員となる予定の株式会社栗本鐵工所の花田考士様から次年度に向けた挨拶を頂戴した。名刺交換会
ｺﾛﾅ禍を考慮して懇親会は開催せず、替わりに、名刺交換の時間を設け、参加者の交流を促した。以上
関西電気機器部会（第1回）
| 時 | 2020年10月26日（月）14:30〜16:30 |
|---|---|
| 所 |
|
| 人 | 役員：坂口（アイコム） 幹事：浅津（NISSHA）、高田（タイガー魔法瓶）、南（パナソニックＩＰマネジメント） 講師１名、会場参加８名、WEB参加２４名 合計 ３３ 名 |
議 事
１．開会挨拶
坂口役員が開会の挨拶をし、講師を紹介した。２．講演
| 演題 | 『東南アジア主要国の知財動向とその対策』 |
|---|---|
| 講師 | Masuvalley and Partners オーナー兼パートナー弁理士 舛谷 威志 氏 |
- 講師経歴
1992年に中央大学理工学部を卒業、同年、株式会社日立製作所に入社、10年にわたり特許部門の担当として勤務。その間に社会人入学した専修大学法学部を2002年に卒業、2003年から2004年まで米国法律事務所Luce Forward Hamilton & Scripps LLPにて外国法顧問として米国勤務、2004年にMasuvalley and Partnersを米国で設立。現在は、東南アジア地域の知財保護に注力し、タイのバンコクにあるオフィスを中心に幅広く活動されている。 - 講演の内容
主にはASEANを中心とした東南アジア主要国各国の特許制度、紛争解決、模倣品の状況と取り締まり、知財保護の展望と、適宜各国での経済状況、言語、宗教、文化に触れ知財状況について説明があった。
東南アジア主要国の知財制度総括として、2016年と2020年における法整備状況を比較し、4年の間にハーグ、マドプロ加盟国が増加した。ミャンマーでは商標制度を国で統一し開始したが、実際には現在も申請が止まった状況である。
特許統計に基づいた内容として、出願数ではシンガポールがトップであるが、インドネシアでの増加が顕著で、タイは2015年がピーク、ベトナムについてはインドネシア同様に伸長が著しい。
ASEAN特許制度の問題点として、権利化までの期間が非常に長い傾向で、特に審査完了までの期間は、タイで10年を超え（外国出願人）、マレーシアにおいても同7.5年、最短のシンガポールでも4年を要する。JPOとのPPHも制度的には存在するが、タイにおいてはPPHを掛けても速くなるのは50%程度、ベトナムにおいては2020年上限200件であり最初の1か月で半期上限100件に到達し、10月以降で100件をさらに受け付け開始している。外国人による権利化は発明が複雑で件数も多いため、自国内での権利化より長期化している。
知財権を権利行使できるかについては、数十年前の日本人のメンタリティがそうであったように、法律紛争に巻き込まれたくないという心理で係争を避ける、早く決着するということが行われている。このため警告書は有効に機能している。解決は民事訴訟が中心であるが、損害賠償において高額な対価は期待できない、弁護士費用のほうが高い場合が往々にしてある。権利行使はマーケットのインパクト、プレゼンスで大きなハンマーを念頭に挙げるのではなく、コツコツしたアプローチで長い目での効果に期待せざるを得ない。
模倣品の状況について、模倣品は大変革時代を迎えている。中国の模倣品事情が変わり、中国人は模倣品を買わなくなった。中国人の従業員コストが高くなり日本人とほとんど変わらない分野も多く、安く作って高く売るビジネスが中国では存続できない状況となっている。また、東南アジアで大陸横断道路が完成しつつあり陸路も含めハノイ−バンコクを経由し海空路を使って各国へ輸送されている（タイがハブになっている）模様。各国の経済事情からみて、特にインドネシア、ベトナム、タイが模倣品天国となっている。
模倣品取り締まりにおいては、タイのDepartment of Special Investigation (DSI)やEconomic Crime Suppression Division (ECD)に摘発を申請するのが有効である。ASEANにおける知財の税関登録での効果はあまり高くないが、タイにおける税関登録は効果的な取り締まりができるものとなっている。タイは国内のいずれか一つを登録すればタイ国内すべての税関に情報共有が図れカバー可能となっている。模倣品対策の重要事項として、模倣品をタイでいかに通関させないかということがあげられる。
最後に、世界各国においてはコロナ禍の影響で模倣品が従来比約4倍の増加量となっているとのことであった。
３．部会報告
坂口役員が今年度の部会活動計画を説明した。新型コロナウイルスの影響が大きく、今回ようやく第１回目を開催することができた。
１２月と１月にそれぞれ関西二業種部会、関西電気機器単独部会を今回第１回のように会場とWEBのハイブリッド型で予定しているが、状況に応じて適宜判断をしていく。
４．見学、懇親会
今回は新型コロナウイルスの影響を考慮し、例年実施されている見学会と会食形式の懇親会は中止とした。会場参加者のみ名刺の交換を行い、講師及び会員相互の親睦を深めた。以上
