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会務報告&部会報告
関東電気機器部会（第4回）
| 時 | 2018年12月6日（金）13:30〜18:30 |
|---|---|
| 所 | アルカディア市ヶ谷 【講演会】4階 飛鳥、鳳凰（東）、鳳凰（西）、【懇親会】6階 阿蘇 |
| 人 | 【テーマ1】：27名(23社)、【テーマ2】：30名(29社）、【テーマ3】：36名(35社) 【全体】：92名(87社)（役員・幹事：9名 合計：101名） 【懇親会】：43名 (講師：3名、役員・幹事9名、理事長1名） 合計55名 |
議 事
講演 テーマ１
| 演題 | 『法務機能の常識が変わる「リーガルテック」』 |
|---|---|
| 講師 | 株式会社日本法務システム研究所 代表取締役 堀口 圭 氏 |
講演概要
- 会社概要
- リーガルテックとは
日本及び世界のリーガルテックに関するサービスの紹介 - クラウドでの契約書作成
- JLSIの考えるこれからの法務
- 新法務エディター「ＬＡＷＧＵＥ」に法務課題の解決
USE CASE１：業務効率化と検索
USE CASE２：法務業務での課題の解決
・急激に進む法務人材のニーズ ・多様な法的ニーズへの迅速な対応
・始まりつつある法務人材の争奪戦 ・ノウハウの流出防止と共有
・クラウド化への意識変化 - 新法務エディター「ＬＡＷＧＵＥ」の紹介
・ストレスフリーな編集 ・契約書に紐づくオンラインのコミュニケーション - 素早く的確な法務への社会的な要請
- 自社ナレッジの検索性向上?チームの強化へ
- テーブルディスカッション
１つのテーブルにつき３〜４名の６グループに分かれ、以下の何れかのテーマまたはリーガルテックに関連する範囲で自由なテーマについてそれぞれ検討した。ディスカッションテーマ
- 1. 契約書や明細書の作成などにおいてリーガルテックで解決したいこと
- 2. 実際にリーガルテックで解決したこと
- 3. リーガルテックの導入のニーズ及びハードル
参加者の中でリーガルテックの検討や利用の状況が様々であったため、いろいろな意見が取り交わさされていた。あるグループでは、契約担当者担当者の代わりとして リーガルテックの検討をしており、契約条件の積極的な提案や、リスク評価を求めているとの意見があった。他のグループでは、リーガルテックとIPテックの違いについて意欲的に情報交換を行っていた。
講演 テーマ２
| 演題 | 『グローバル特許戦略―海外ビジネス環境の変動期における知財面での懸念点・トピックスー』 |
|---|---|
| 講師 | 特許業務法人 志賀国際特許法律事務所 弁理士 清水 雄一郎 氏 |
講演概要
- ３つの視点（�）念彿響茲留洞繊Ν�M&A,グローバルR&D,��AI/IoT技術の進化＆応用）
- 日本から各国・地域への輸出額、貿易紛争の影響（US/CN、JP/KR）、M&A、現地法人におけるR&D
- 現地法人で生じる知財管理（複雑さを増す管理・出願ルート）
- 主要国・その他国/地域の特許出願件数・内外国人比についてWIPO資料を基に解説
- AI/IoT技術の出願動向（事業・研究開発戦略との関係）、AI/IoT発明の権利化
- 標準化、グローバル係争対応
グローバル戦略のためには「相手」を知り「自分」を知った上で関連する各国特許動向をおさえる必要がある。
- 各国トピックス
US：ソフトウェア関連発明審査（101条関係）、法改正準備、現地発明の取扱い
CN：技術移転強制問題への取組、特許審査運用の変更、ソフトウェア・半導体の自国開発
KR：素材部品の自国開発、懲罰的損害賠償制度の導入
EP：コンピュータ実装発明の審査実務
その他：インド・ベトナム・ミャンマーの概況 - まとめ
- 競合/提携の主体・場所（国）・対象（技術）の変化
- 取組例として各プレイヤー分析、自社ポジション、ポートフォリオ見直し、必要な提携/オープン＆クローズ、知財管理体制の見直し、保護国の見直し、係争対策、 標準化対応、保護対象の特定・権利化・・・など
- 三位一体の知財活動
- 役割分担が重要に
取り組むべき課題は多岐にわたり、誰が何をするか？（人材確保、事業部門/研究開発部門 との連携、アウトソーシング、ITC技術活用） - SDG‘ｓ WIPOの取組、日本政府の取組
- さいごに
発明⇒イノベーション 発明の実利的な実施、いわゆる発明抽出作業がイノベーションに繋がる可能性 - テーブルディスカッション
テーマ：グローバル特許戦略として「これまで取り組んできたこと」「今後取り組むべきこと」
１テーブル３〜５名の６グループに分かれ、各社実情を踏まえながら実施済・未実施、それぞれに対しての課題等、活発な意見交換を行い、各グループの意見を発表。
テーマ２では、なかなか纏めづらい各国実情を踏まえUS・CN・KR・EPといった主要国（地域）の他、東南アジア各国の状況など幅広くご講演頂いた。前半の講演、後半のテーブルディスカッションそれぞれにおいて、多くの質疑あり、参加会員企業の興味の高さが伺えるもので、理解を深める事ができた。
講演 テーマ３
| 演題 | 「強い特許を産み出す「発明者インタビュー」のコツと実践」 |
|---|---|
| 講師 | ソナーレ特許事務所 所長弁理士 右田 俊介 氏 |
講演概要
講師の右田氏が弁理士としてクライアントから特許出願を依頼された際に、予め発明を理解するために資料を受領し、発明の概要を理解した上で、次のステップとして発明者を相手に普段行っているインタビューに関し、どのようなステップで何を聞いていくのかということを伝授する講座である。 まず「強い特許」とは、「市場に強い」「引例に強い」「争訟に強い」「後願に強い」「継続して強い」など多面的に定義し、「強い特許」のためのクレーム構成はどのようなものなのか、基礎的な考え方を伝え、「強いクレーム」へ導くための発明者インタビューについての進め方を講義した。 なお、本来は発明者がどのように発明をしたのかという架空の課題を設定した上でインタビューの実践を行うことが最もタイトルに近いテーブルディスカッションになるかも知れないが、今回の実践では「強い特許」のクレーム作成を、４〜５名のグループ毎に話し合って、そこに至った経緯を発表するものとした。- 「クレーム作成ノウハウ」
クレーム解釈の方法としては、基本的にオールエレメントルールが採用される。発明者・知財部門・代理人が、発明を“広すぎずかつ漏れがない”「ワンフレーズ」で 表すことを意識し、相互に認識を共通化させることが重要である。 請求項（クレーム）作成の目安としては・・・請求項１：他社に「できれば」模倣されたくない最上位概念
請求項２：進歩性に寄与する特徴を１つ追加（複数の実施形態をカバー）
請求項３：進歩性に寄与する特徴を更に１つ追加
請求項Ｎ：他社に「絶対に」模倣されたくない落としどころ（上位）
請求項Ｎ＋１：他社に「絶対に」模倣されたくない落としどころ（下位） - 発明者インタビューのコツ
(step1)発明の背景，（発明者が認識している）課題の確認
近年の裁判例から見ると、課題は重要である。審査基準とは異なり、本願発明（課題Ｘ）と主引用発明（課題Ａ）の課題が異なることで、副引用発明を組み合わせられないと判断する裁判例も多数存在する。従って、課題には先行文献に記載された課題とは異なる課題（異質な課題）を記載することが望ましい。(step2)ベストモードの理解
請求項１を決定する前にベストモードまでヒアリングした方が良い。- �� ベストモードを構成している要素技術を分解
- �◆／卦�性が有りそうな要素技術をピックアップ
- �� 各要素技術を別々に権利化する必要があるか検討
複数の発明が混在しているかを認識し、それを敢えて一出願とするか、別の出願とするかを戦略的に考察することが重要である。
(step3)先行技術の確認
先行技術を決定し、本願の新規性の限界を把握する。(step4)先行技術の取捨選択とワンフレーズの抽出
他社に「できれば」模倣されたくない最上位概念をワンフレーズとする。ワンフレーズは、発明の効果を実現する最低限の構成を端的に表現したものであり、これを引き出すために効果と構成を何度も確認するのが効果的である。(step5)どのような変形バリエーションまでクレームに含めるかを確認
ベストモードのたどり着くまでにどんなデザインがあったのか、他社が回避するとしたらどのような回避案が想像できるか、を聞きながら、発明者が必須と思っているもの、任意だと思っているものを選別していく。(step6)落としどころの肉付け（二次的課題も想起してみると良い）
審査官は予想外の引用例を持ち出すし、無効審判で無効となる可能性も考える。落としどころ（誰もが通過する二次的課題）は何かを検討する。 発明者はベストモードにしか頭が回らず、知財部員が気付きの種を与えたい。この講義ではタイトルが「インタビュー」とあるが、双方向に意見を交換する「ディスカッション」でありたい。 - グループディスカッション
４〜５名の7グループに分かれて、以下のことを行った。
（テーマ）発明を理解し、そして「ワンフレーズ」を実際に作成してみましょう- スパゲティ専用フォークを公知例となる普通のフォークと比較し、「ワンフレーズ」を抽出する。(写真左下)
- 「ワンフレーズ」を抽出した後に、今回の対象のフォークにより近い引用例が発見されたと想定し、さらに落としどころとなる「ワンフレーズ」を抽出する。
- ある２チームには最初の段階のワンフレーズを、別のある２チームには次の段階のワンフレーズを、それぞれホワイトボードを用いながら、口頭で発表してもらい、 その作業工程（思考方法）及び結果として書き出されたワンフレーズについて、右田講師が講評を行った。講評によれば、右田講師の予想を超えるワンフレーズも 飛び出したとのこと。ディスカッションは盛況の中、幕を閉じた。（写真右下）
以上
関東電気機器部会（第3回）
| 時 | 2019年10月11日（金） 12:20〜19:00 |
|---|---|
| 所 |
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| 人 |
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議 事
Ⅰ．筑波宇宙センター見学
視聴覚室にて、JAXAの体制及び業務の概要について説明を受けた。次にガイド付き見学ツアーにて、宇宙飛行士養成エリア、「きぼう」運用管制室等を見学しながら説明を受けた。
ガイド付き見学ツアー後、ミュージアムショップでの買い物や、 展示館「スペースドーム」の見学を行った。
Ⅱ．講演
| 演題 | 「宇宙開発と知的財産」 |
|---|---|
| 講師 | JAXA 研究開発部門研究戦略部 知的財産課長 皆川 健太 氏 |
講演概要
(1)JAXAとは
- JAXAは国の宇宙開発体制の中で、内閣府・文部科学省・総務省・経済産業省管轄下に設置された技術部門を担う研究開発法人。
- 宇宙機器産業の市場規模は3500億円程度ながら、宇宙利用サービス産業やユーザー産業等、関連事業の裾野が広がっており、7兆円以上の市場規模となっている。 JAXAの技術は、他の産業分野との連携で活用されている。
- JAXAのロケット・衛星打ち上げ成功率は97.9％と極めて高い。
(2)宇宙関連の国際的な取り決め
- 国連を通じた国際的な取り決めが宇宙に存在する。
- 宇宙条約…宇宙には国家の主権は及ばないことが規定されている。各国の領土も存在しない。
- 月協定…宇宙の天然資源の所有を禁止することが規定されている。日本・米国等は批准していない。
- 米国特許法は、一定条件下で宇宙区間にも及ぶことが規定されている。ドイツ特許法にも類似の規定あり。日本には同様の規定はないが、日本特許法内に条約直接適用の規定がある。
- 近年、その他種々の条約・法律が策定されており、法整備が急速に進んでいる。
(3)国際宇宙ステーションと知的財産
- 宇宙ステーションは、複数回に分けた組み立て作業により、少しずつ組み上げられる。
- 日本実験棟の宇宙ステーションは世界で一番大きく、日本ならではの技術が満載。
- 国際宇宙基地協力協定では、国際宇宙基地（ISS）内での発明は、そのISSの飛行要素の登録を行った国の領域での活動とみなされる。例えば、日本実験棟内での発明には日本の法律が及ぶ。
(4)宇宙技術と知的財産
- 米国ベンチャーは、ロケットに関する特許を日本でも取得している。日本の領海内での独占排他権を取得し、優位性を確保する狙い。
- NASAは米国企業から複数件の特許侵害で提訴され、高額な賠償金を支払っている。
- カナダのTHOTHが宇宙エレベーターに関する米国特許を取得し、他社の事業化を牽制している。
（5)質疑応答
Q1：不競法の改正により、AI関連で、限定提供データの譲渡に関する規定が定められた。JAXAではどのように取得した情報を活用・展開しているか。
A1：JAXAでは人工衛星の観測で取得したリモートセンシングデータ等のデータを展開している。解像度の低い
データはオープンにして国内外に提供している。 解像度の高いデータは利用したいという会社は多い為、商用
利用を阻害しないように情報展開を行っている。
Q2：JAXAの特許戦略、ライセンス戦略について教えて欲しい。
A2：JAXAはメーカーの様に、製品を作って販売する会社ではないため、国立研究開発法人としての役割を踏まえた
戦略が必要。現在、新組織において内外に示すポリシーを策定中である。 共同研究開発先の利用希望態様や、
民間との協力体制に応じて取り扱いを決定したり、ライセンスを設定する際は、JAXAとしてはできる限り低廉な
ライセンス料を設定するなど、 産業振興に寄与した内容にしたいと考えている。
Ⅲ．懇親会
４７名（講師含む）が参加。講師、及び会員相互の意見交換、親睦を大いに深めた。以上
2019年度 関東・関西合同電気機器部会（第2回）
| 時 | 2019年9月6日(金)〜7日(土) |
|---|---|
| 所 |
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| 人 | 【関東電気機器部会】
業種担当役員 原田 正樹（ウシオ電気） 幹事 新井 亨（太陽誘電）、高田 真己（スミダコーポレーション）、猶原 康宏（伸和コントロールズ）、熊野 悟（ミツバ）、望月 大輔（DGホールディングス）、大原 香恵（ゼンリンデータコム）、 上田 英司（日本ライフライン）、水本 大介（日立製作所） 【関西電気機器部会】
業種担当役員 谷澤 靖久（古野電気） |
議 事
１．開会挨拶
原田役員が開会の挨拶をし、講演会の講師を紹介した。２．講演
| 演題 | 「マツダの知的財産活動」 |
|---|---|
| 講師 | マツダ株式会社 Ｒ＆Ｄ技術管理本部 知的財産部長 白髪 信一 氏 |
講演概要
- マツダとは
売上高3兆5千億円、従業員数、連結で4万9千人、単体で2万人、グローバルでの販売台数160万台でシェア2%、2020年で100周年となる。
営業、R&D、生産、管理などが同じ敷地に存在し、 一気通貫の体制となっているのが特徴である。ロータリーエンジンを量産した唯一の会社であり、オンリーワン技術を追求している。 マツダ車に乗ると人生が充実する、楽しくなる、そんな車づくりをマツダは目指している。 - 組織概要
約50名で特許を中心にグループを構成している。知的財産委員会を設置し、各部門からメンバーを招集し、年1回会議を開催している。
国内出願は年間約800〜1000件で、グローバル率は約35％である。 - 知的財産部の活動
マツダは、車両の機能・構造を一括で技術開発し、それを各車種に展開して量産開発を行っている。知的財産部は、一括の技術開発のときに、しっかりと活動するように心がけている。
特許事務所や特許庁の審査官に、発明や技術をしっかりと理解してもらうために、技術説明会を積極的に開催している。それらを通じて、特許事務所には、明細書の質の向上を、審査官には、審査の質の向上を期待している。
３．工場見学
マツダミュージアムを見学し、マツダ株式会社のあゆみと商品・技術を学んだ。マツダミュージアムは、主に、歴史、RE、技術などをコンセプトにした展示で構成され、途中で、工場の実際の組立てラインを見学できるようになっていた。歴史展示では、1920年の創業から今日に至るまでのマツダの歴史を、コスモスポーツなど、マツダを代表する懐かしのクルマとともに紹介されていた。RE展示では、マツダの誇るロータリーエンジンの特徴やしくみなど、 技術展示では、企画から生産までのクルマづくりのプロセスや、最新の技術が紹介されていた。工場の組立てラインは、多車種混流生産方式を取り入れられ、1つのラインで様々な種類のクルマが組み立てられていく様子を見学することができた。
４．懇親会
見学のあと、宿泊先のホテルに場所を移動し、懇親会を開催した。講師の白髪さまにもご参加いただき、講演内容をもとにした意見交換を行うとともに、会員相互の親睦を深めた。以 上
関東電気機器部会（第1回）
| 時 | 2019年6月6日（木） 13:00〜18:00 |
|---|---|
| 所 | アルカディア市ヶ谷（〒102-0073 東京都千代田区九段北4-2-25） 〔講演〕5階 大雪、〔懇親会〕4階 鳳凰 |
| 人 | 原田役員、水本幹事、大原幹事、上田幹事、新井幹事、熊野幹事、望月幹事、 高田幹事、 猶原幹事ほか ９２名(７４社) ※講師１名含まず |
議 事
１．部会報告
原田役員より、今年度の関東電気機器部会の活動について報告を行った。報告概要
関東電気機器部会は会員数２４３社と正会員９７４社の２５%を占めるJIPA最大の業種別部会であり、業種も多岐にわたっている。
今回参加者は７４社９２名と昨年度第１回部会の１．５倍の参加者となり嬉しい状況。
- JIPAにおける関東電気機器部会の位置付け
- 部会活動の考え方として、会員の研鑽、情報・意見の交換、親睦を図る
- 本年度も全５回の部会を計画し、第３回までは決定している
- 昨年度実施のアンケート結果の反映により今後の部会活動においてテーマ選定等紙加味
２．講演
| 演題 | 「特許調査における先行技術調査と侵害調査について 〜特許検索競技大会の課題を題材として〜」 |
|---|---|
| 講師 | インフォストラテジー特許事務所 弁理士・中小企業診断士 尼崎 浩史 氏 |
講演概要
１．課題に対する検討
冒頭に課題（特許検索競技大会 過去問題集２０１３の電気分野をアレンジされた、ウエアラブルタイプの静電気除去装置に関する特許請求の範囲、発明の課題・解決手段、 実施例、図)を確認し、�＼莵垉蚕冂敢困砲�ける検索式と�⊃�害調査における検索式について、参加者個々で考える時間が設けられた。２．調査に対しての考え方
特許調査は今後AIが主流になるとか、j-platpatも5月に機能改良されたりしているが、当面は人が検索を行うのが主流と考えられ、その中で検索式がポイントとなる。今回講演では、冒頭に課題を考えた後、先行技術調査と侵害調査の違い、そしてそれぞれの調査に対して個々の検索式の考え方、尼崎先生の使用されている検索環境の紹介と、最後にテーブルディスカッションという構成で進められた。
なお、今回課題に対しての検索はJ-Platpatを用いられた。
２−１．先行技術調査と侵害調査の違い
目的に合った調査個所を確認する事がポイント。先行技術調査の場合は全文が対象となるのに対し、侵害調査では実施行為のみを対象とし、特許請求の範囲のみとする。また、調査種類によっては性質が異なり、先行技術調査では発明（抽象的・包括的・上位概念的）の抽象的部分であるのに対し、侵害調査では具体的な実施行為とし、検索式においても相違が生じてくる。
２−２．各々の検索に対する流れ
- 先行技術調査については１）構成要素の抽出、２）複数の観点で予備調査（尼崎先生は４〜５Hかけ全体を俯瞰する検索式を作成）、３）キーワード選定（調査対象用語、GoogleやWikipedia等を活用した予備検索や翻訳サイトを用いた逆翻訳といった結果より単語単位で検索し、必要に応じ助詞や近傍検索（,４０C,）を用いる、４）特許分類選定として主にFIを使われている。５）キーワード分類検索において概念に含まれないキーワードであったり関連性高い領域を調査、６）スクリーニングとしてハイライト・ジャンプ機能を活用し、引用・被引用文献の確認（被引用文献についてはj-platpatでは使えないのでeapasnetを活用）
- 侵害調査においては１）事前検討として網羅的調査/限定的調査であるか調査範囲の決定により優先順位を決定、２）調査対象の決定、３）調査機能や重要構成要素を抽出する。 この際、不明瞭な部分は明確にしておく事が望ましく、「◎：可能性大、〇：要確認、△要検討」として事前に特定しておく事が望ましいが必要に応じて開発部門等と協議を行う。 ４）特許分類を主体に検索（基本的に特許請求の範囲とするが、必要に応じて全文を対象とし、関連性高いものが抽出された場合は全文検索。J-Platpatの設定では出願日の範囲指定および登録優先として検索していく。
３．検索環境の紹介（講師が実際に使われている「HYPAT-I2」の機能紹介）
予備検索時はj-platpatを活用されているが機能検索時は応答遅い感じなので商用ツールがレスポンス早い。また、ハイライト表示は検索キーワードのみである。HYPAT-I2で検索 （出願等番号抽出）⇒SRpartnerで中身の検索する事もあり、HYPAT-I2は後方表示の際にツールバーが使えなくなってしまう・1万語までしか表示できない等があり、スクリーニングには使いづらい点もある。SRpartnerは語句単位でハイライト色を設定可能でき、キーワードを素早く定める事ができる。さらにテクニカルな内容になると、出願人をまとめてスクリーニング （同一出願人、同一内容でスクリーニング）、j-platpatでの検索時は予備検索時に引用・被引用を抽出し検索式を作る際に予備検索時抽出内容を含む式を作成するなどがあり、参考になれば業務で使って頂きたい。４．テーブルディスカッション(課題（３テーマ）に対してチームごとに討議)
◆テーマ１に対して| ６班 | 設定においてなにを目的にするか＝コツ・ノウハウについてマニュアルなどを活用している。会社によっては外注もありと考えられた |
| １２班 | サーチツール各社もっていた（ビズクランチャーがいいねという話）、経営層に見せやすいマップがある。 講師：いろいろなツールがあるので使いやすいデータベースを使われて良い |
| １８班 | 4人全員そろって社内体制が整っていないという意見、教えるノウハウについて課題が出てきた |
| ３班 | 調査体制としてどの様な事をやっているか、ツールの情報共有が挙がった。 ぐるなび様採用のCKSというツールでは（数値の限定検索ができる） 講師：過去、調査会社在籍時、自分で調査し刊行物等提出書を確認していた事があった。そこで新規性・進歩性のロジックが確認できていた |
| １３班 | AIの将来像としてテキスト処理が主体、図面を含めた判断になってくるのではという議論出たが、調査者に対するスキルについては議論できなかった 尼崎先生：将来的には２極化していくのか、AI使える会社と使えない会社に分かれる。 １０年後には全て使える環境になると考えられる |
| １５班 | 調査会社に依頼すると業界知識もでき、いい結果が出る。ただAIだと難しくなるのでは。 講師：こういうスキルがあればというディスカッションは無かったでしょうか？ よく言われるのは対人間のインターフェースはAIでは難しいのではないかというのがある。 |
対人間のインターフェース（コミュニケーション）が生じる。 これがAIだと難しい面があるのでは？という点において、
より人が検索することの重要性を再認識し、講演終了。
３．懇親会
講師である尼崎先生を囲み、62社68名の方々に参加頂き、交流を深めました。以上
