新刊書紹介

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技術者・研究者のための特許検索データベース活用術

編著 小島 浩嗣 著
出版元 秀和システム A5判 352p
発行年月日・価格 2017年2月17日発行 2,500円(税別)
 特許検索を行った際,「目的特許がヒットし ない」,「ヒット件数が0件,若しくは数百件に なってしまった」など検索に苦労した経験はな いだろうか。わたしも開発部門に所属していた 際,そのような経験を幾度もし,どのように特 許検索を行ったらよいのか困ったことがある。 そして『特許検索は難しいもの』と認識し,ま た時間も無いため特許検索をほとんど実施して いなかった。立場が変わり,現在わたしはサー チャーとして特許検索を行っている。依頼者か らベンチマークとなる特許の提示がない場合, 自分でそれらしい特許を見つけて検索を行って いる。本来であれば,やはり技術者・研究者が 自分の開発テーマに関連する特許を提示するの が筋であろうが,『特許検索は難しい』と思い 込み,特許検索を実施していない場合もあるの ではなかろうか。

 本書では,時間の無い技術者・研究者のため に,目的の特許・それらしい特許を短時間で見 つけるための検索のコツについて述べられてい る。技術者・研究者が「特許検索 ⇒ データベ ース化 ⇒ 解析」を日常的に行い,技術動向・ 他社動向のイメージを把握しておくことは必須 であろう。そのためには,最初のステップであ る特許検索を効率的に行うことが必要である。 以下に本書の章構成について記す。

 第1章は,特許情報の活用場面について述べ られている。
 第2章,第3章は,特許制度と特許文献の種 類,特許分類について纏められている。
 第4章は,J-PlatPatの使い方について纏めら れている。第5章以降で特許分類を使用した検 索式について述べられているが,技術者・研究 者にとってあまり馴染みがない特許分類の調べ 方についても記載されている。
 第5章から第8章は,短時間で「それらしい 特許」を見つけるため,特許文献情報を統計と して活用するための検索/分析手法について事 例を交えて述べられている。

 検索式については,_燭鯆敢困垢襪里(調 査テーマ)を明確にして,◆嵎野」×「必須要 件」×「特徴」の3項を基本枠組みとし,F探 分類を検索に用いることにより,キーワードの み検索した場合と比較してノイズを減らし,「そ れらしい特許」を見つけやすくなるであろう。
 研究者が検索する際に特許分類を使用するこ とは少ないのではなかろうか。各開発テーマ(分 野)の特許分類を研究者に教えることも可能で あろうし,「それらしい特許」を短時間で見つ けるためには特許分類を上手に活用することも 必要ではなかろうか。また,検索が上手くいか ない場合,調査テーマと検索式がずれている, 必要以上に絞り込みすぎていることがあるた め,適宜見直しが必要である。

 タイトルに技術者・研究者とあるが,出願担 当者やサーチャーが予備特許検索を行う際にも 十分に活用できる内容であり,有用な一冊であ るといえる。

(紹介者 会誌広報委員 M.S)

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