新刊書紹介
新刊書紹介
改訂増補 外国特許実務を考慮したクレームと明細書の作成
| 編著 | 深見特許事務所 編 |
|---|---|
| 出版元 | 経済産業調査会 Ａ５判 604ｐ |
| 発行年月日・価格 | 2013年10月21日発行 4,800円（税別） |
本書は，次の章から構成されている。
第�犠蓮［鮖法�戦略・課題
第�蕎蓮．�レームの作成
第�珪蓮〔精拿颪虜鄒�
第�絃蓮� ソ フトウェア関連発明のクレームと明 細書の作成
第�江蓮� 化 学・バイオ分野発明のクレームと明 細書の作成
第�詐蓮＼鑪�的クレーム・明細書の事例研究
第�讃蓮� 外 国特許出願に対する外国代理人の助言
第�蕎呂簑茘珪呂任蓮こ姐饅亟蠅鮃洋犬靴疹� で，クレームや明細書の記載にあたっての注意 点を記載している。クレームや明細書の記載に あたって，こういう表現を使うべきではない， とか，この事項を記載するのならこういう表現 を用いた方がいい，という記載もあって，明細 書担当者にとってノウハウ本としての価値が大 きい。
第�絃呂簑茘江呂蓮い修譴召譽愁侫肇ΕД∋� 業の知財担当者，化学・バイオ分野の知財担当 者が読んでも勉強になるが，それ以外の分野の 知財担当者でも機能的クレーム（第�絃蓮法ね�
途発明，選択発明，数値限定発明（第�江蓮砲� ついての記載など参考になる点が多く，是非， 一読をお勧めしたい。
第�詐呂蓮と塾磴�らクレーム・明細書の書き 方を振り返って事例研究を行っているものだ が，おそらく各特許事務所内部でこのような勉 強会を行っているものと思われ，興味深く読ま せてもらった。
第�讃呂蓮に椽颪虜蚤腓瞭団Г任△覲こ阿梁� 理人の助言が記載されており，当該国への出願 にあたってとても参考になった。また，助言内 容が具体的・ノウハウ伝授的な代理人と，判例
や審査基準を紹介するだけの代理人とがいて， 図らずも各国の代理人の質のサンプルを提供し ている形になっている。
なお，本書とほぼ同一の課題について，本誌 2014年２月号・３月号（分割掲載）に「日米欧 中で通用するクレームドラフティング」という 論説も掲載されているので，興味を持った方は そちらも参照されたい。
以上より，会員企業に多いと思われる出願・ 権利化担当者（実際に明細書を書くかどうかは 問わない）にとって，明細書・クレームのチェ ックの際に非常に役に立つ。よって一読を勧め るものである。
（紹介者 会誌広報委員 Ｎ．Ｉ．）
新刊書紹介
実務家のための 知的財産権判例70選 2013年度版
| 編著 | 弁理士クラブ知的財産実務研究所 編 |
|---|---|
| 出版元 | 発明推進協会 Ａ５判 342ｐ |
| 発行年月日・価格 | 2013年11月１日発行 3,000円（税別） |
知財管理誌で連載している「続・判例研究」 に掲載されている裁判例も数多く収録されてい るが，「続・判例研究」のような法学的視点で はなく，同じ裁判例であっても実務家視点の解 説となっている。
本書では，平成24年４月19日から平成25年３ 月21日の間に判決が出された72件の判決が紹介 されている。本書で紹介されている判決の中で 特に注目すべき判決としては，現在全世界的に 知財訴訟を起こしているアップルとサムスンの 日本における最初の判決や，知財高裁における ６件目の大合議判決などが挙げられる。注目の 裁判例については他の雑誌等でも詳しく解説が なされているので，より詳しい判決内容，評釈 を読みたい場合は他の解説も参考になると思わ れるが，本書は知財実務に携わる方が１年分の 知的財産関連の注目の裁判例を総復習するのに は丁度よい内容，ボリュームではないだろうか。
日々蓄積される裁判例は知財実務に大きく影 響を与えるものであり，知財実務家にとって裁 判例の把握は実務を行う上でも必要不可欠であ り，重要なことである。しかしながら，日々出 される膨大な数の裁判例の判決文に目を通し， 判決のポイントや実務へのフィードバックを検 討することは大変な作業であり，コンパクトに まとめられた本書は知財実務に携わる者にとっ て大変便利な判例集であると思われる。
本書のシリーズは過去11冊出されており， 2002年度版から2012年度版については，掲載さ れた裁判例がインターネット上で判決のポイン ト等が公開されている。まだ本シリーズを見た ことがない実務家の方は，一度本屋で手にとっ てみてはいかがだろうか。
（紹介者 会誌広報委員 Ｙ．Ａ．）
