新刊書紹介

新刊書紹介

会社の商標実務マニュアル(第2版)登録からブランド防衛まで

編著 正林真之 監修
小野寺隆、藤田和子、園部武雄 著
出版元 中央経済社 A5判 304p
発行年月日・価格 2008年10月31日発行 2,800円(税別)

本書は、企業で商標業務に携わる者に必要な商標権の基本的な知識から商標登録、維持・管理、活用、侵害対策まで網羅されている解説書であり、2006年7月の初版発行後に商標法の大きな改正が数多くなされたため、それらを反映させた改正版である。
なお、法改正の内容は、百貨店等で行われる小売業等の役務が商標として保護されること、広範囲の商品・役務を指定した場合は使用証明を提出しなければならないこと、商標関係料金の大幅値下げ等、商標業務を行ううえで影響の大きい改正と言える。
本書の構成は、序章で商標の特質や商標法の位置付け等を説明し、第1章では出願前に行う手続き、第2章では出願から登録までの手続き、第3章から第5章では出願後の手続きを解説し、最後の第6章では外国出願に関して記載されている。

具体的な章立ては、次のとおりである。
<序 章> 商標法について
商標とはどんなものなのか、商標法とその他の知的財産関連法との違いなどを簡単に説明している。
<第1章> 出願の前に
出願する商標や指定する商品・役務の検討、先行商標の調査等、出願前に留意すべき事項について具体例を挙げて解説している。
<第2章> 商標登録出願から登録までの手続
出願時、拒絶理由通知対応時や設定登録時の手続について、特許庁への提出書類や特許庁からの通知書類の記載例を参考に解説している。
<第3章> 審判手続
特許庁の審査結果である査定に不服がある場合や既に登録された商標を無効にしたい場合に行う審判手続について、審判の請求内容によって解説している。
<第4章> 商標権の維持・管理
商標登録後の効果や維持、管理および活用するうえで留意すべき事項について解説している。
<第5章> 侵害
商標権侵害した場合と反対に侵害された場合の対応策について解説している。
<第6章> 外国に出願するには
マドリッド協定議定書による出願をはじめ、外国へ商標出願する際の手続きを簡単に説明している。

監修した正林氏が、事務所を独立し、自分で商標業務をせざるを得なくなった際にあればよかったと思い作成された本書は、商標に関する業務の全貌が見える手引書であり、商標実務者にとって“かゆいところに手が届く”1冊であ ると言える。

(会誌広報委員 T.M)

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