ちょっと一言

「アカハライモリ」7月号編集後記より

 7月に入り毎日暑い日が続いておりますが,如何お過ごしでしょうか。
 私は最近,アカハライモリを飼い始めました。イモリは,ヤモリとは異なり水生生物です。見ていて涼しげで,結構かわいらしい顔をしています。生態も面白いです。少量ですがテトロドトキシンというフグと同じ成分の毒を保有しており,更には再生能力が尋常ではありません。例えばしっぽが欠損しても骨まで再生されるようです。トカゲのしっぽ切り,と言われるようにトカゲも再生能力はありますが,骨が再生されることはありません。骨まで再生されるのはイモリと,ピッコロくらいではないでしょうか。
 この再生能力について気になったので更にWebサイトの記事を調べてみると,しっぽどころか,手足,眼のレンズ,心臓まで再生することができると書いてありました。要するに頭以外は欠損しても再生できるということで,非常に驚きです。まるでゾンビ映画にでてくるゾンビの類です。まじめな話をすると,どうやらこのイモリの生態については再生医療の分野で研究が進められているようで,医療の分野でイモリの今後の活躍が期待されます。
 その他,イモリを調べていて気になったのが,イモリは交尾することがないことです。ある書籍には,オスがメスの目の前に精子の入った袋を落とし,これをメスが体内に取り込んで受精し水草に産卵する,と書いてありました。まるで人工授精のようなことをしており,医療×イモリで何か一冊書けるのではないかと感じました。やはりイモリ,ただ者ではないと改めて感じた次第です。
 イモリの日常の行動を観察していると,基本的には丘に上がって日光浴,ということはなく,体を水中に浸して生活しています。ときに水上をぷかぷか浮いて顔をだしたり,ときに水中にもぐってボケーっとしたりしています。水槽をじーっと覗いていると,イモリ側も気づいてこちらをめちゃくちゃ見てきます。こうした行動を見ていると,なかなか面白く癒されます。
 イモリの寿命は平均で20年,長くて30年と非常に長寿のようです。このイモリとこれからも仲良くしていきたいと思っています。
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(S.T)

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