ちょっと一言

「工夫して泳ぐ」8月号編集後記より

 昨今の健康ブームもあり,何かしらスポーツをされている方が多いかと思います。手頃に始められるウォーキングや,チームメンバーで交流を深めながら楽しむサッカー・野球のように様々なものがありますが,私は水泳(競泳)をしています。小さい頃にスイミングスクールに通い出したのが始めたきっかけで,その後現在に至るまで続けています。私は走るのが苦手な上にボールの取り扱いも下手だったので,陸上の運動は全然続かなかったのですが,どういうわけか水泳にのめりこみました。小学校から大学まで水泳部に所属してバリバリ泳ぎこみ,全国大会に出場するようなレベルには至らなかったものの,県大会入賞が出来たので自分なりに頑張ったとは思います。
 とはいえ,当時を振り返ると色々反省すべき点もありまして,特に高校まではコーチの作ったメニューをこなすことばかりを考え,自分なりの工夫が不十分でした。コーチがよく「やらされる練習をするな,自分から進んで練習をしろ」と話していましたが,今ならその意味がわかる気がします。
 就職してからは社会人向けのチームに所属し,マスターズという年代別で競う大会に年に数回出場しています。このマスターズの大会は決してハードルの高いものではなく,25m泳げれば誰でも参加出来ますが,出るからには最善を尽くしたいと思い練習を続けています。最近は学生時代と比較して体力的な衰えはありますが,それを補うべく技術の向上やトレーニングの工夫に取り組んでいます。例を挙げると,水を掻いて生み出す推進力を高めるために肘の位置をどうすべきか,水の抵抗を抑えるためにキックの打ち方をどうするか,そのフォームを維持するための筋肉をどう鍛えるか,といったことを意識しています。また,仕事や家庭との両立を考えると時間の制約もあるので,スイムトレーニングでは短時間で大会本番に近い負荷がかかるメニューを行うことを心掛けました。どうしても長距離向けの練習は犠牲になりますが,このような工夫の甲斐あってか昨年は短距離(100m自由形)で高校生の頃と同等のタイムを出すことが出来ました。
 仕事を含め何事にも共通しますが,考えて工夫することは大事だなぁと実感しています。

(T.O.)

  • レースの様子
  • スイマーの聖地、東京辰巳国際水泳場
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