ちょっと一言

「À mon seul désir」11月号編集後記より

 今の時期のイベントといえばやはり文化祭でしょう。あ,もちろん,体育祭等もありますが,文系インドアな私的には前者のほうに沢山の思い出があります。例えば,小学時代に演じた孫悟空や中学時代の英語劇,高校時代に独りで切り盛りした放送部の催し等枚挙にいとまがありません。ただ,そんな中でも一番記憶に残っているのは大学の学園祭です。

 当時,児童文学研究会にて会長だった私は,折角「研究」しているのだから成果発表しよう!と決意したのです。ほんわかサークル内に活を入れ初秋から夜遅くまでメンバーと衝突しながら準備をした記憶があります。その結果,某局で放映していたアニメ名作劇場の年表と原作との違いを展示し,宮沢賢治の一生を辿りつつ彼の作品を評論し,さらには子ども向けの読み聞かせ会や絵本手作り体験も実施できました。

 と思い起こすと,若さゆえか随分色んなことにチャレンジしたなと我ながら感心しました。決して何かの褒賞に結びつくものではありませんが,そういうチャレンジができる環境や仲間と邂逅できたこと自体が貴重な財産だなと感じます。社会人になってからそういった利害関係ナシの繋がりは難しいなか,会誌広報委員は企業の枠を超えて議論できる 稀有な機会ですので,大事にかつ積極的に(そしてどん欲に)活用していきたいなと思う次第です。

 話は変わりますが,我が王子様も2歳になり,益々可愛さが増してきています。見ているほうが不安になるようなよちよち歩きで必死にこっちへ駆け寄ってくる さまは何ものにも代えがたい名シーンです。それと,やんちゃパラメータの上昇度が半端ないです。「あぶないよ!」と注意されたことを敢えてやっては見事に失敗し派手に泣くので,抱っこしてあやすとまた同じようなことをチャレンジする…あれ?チャレンジ??そうか,我が子は色々チャレンジをしてそこから何かを掴み取ろうとしているのか!だとしたら,かつて学生時代に仲間達がしてくれたように私はそのチャレンジする環境を整えていこうじゃないか。と,無垢の光を放つ月を見ながら誓ったある夜長でした。
 「私のたった一つの望み」。無限の可能性を秘めた我が子がその可能性を存分に解放できますように。

(K.N.)    

  • いまはちっちゃいけど、いつかきっと!
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