ちょっと一言

「チーズへの誘い」11月号編集後記より

 11月となり秋も深まってきました。11月と聞いてぱっと思い浮かぶイベントがなく、調べてみるとボージョレ・ヌーボーの解禁日がありました。ワインにはチーズがよく合います。 ワインは語れそうもないので、強引ですがチーズについてお話したいと思います。

 初めてチーズに感動したのは、イギリスに滞在していた時のこと。住んでいた場所の近くにバラ・マーケットというオーガニック食品などを取り扱うマーケットがあり、よく通っていました。 マーケット内の多くのお店が試食をさせてくれるため、ちょこちょことつまんで楽しむことができます。ちなみにイギリスの食べ物はとてもまずいという思い込みがありましたが、とても美味しく、 予想を覆されました。ただし、美味しいものはやはり高いですが。

 通りがかったチーズのお店では、サイコロ状にしたチーズを試食させてくれましたが、そのチーズの美味しいこと!それからそのお店の試食できるチーズを全部試食してしまい、店の前を うろつく変なアジア人と思われたことでしょう。試食をしては美味しいチーズをメモし、それらを購入して家で味わうのが週末の楽しみとなりました。

 購入したチーズはイギリスのチーズではなく、スイスのグリュイエールチーズやフランスのコンテチーズでしたが、熟成が進むとアミノ酸の結晶が中に浮きだしてきており、とても旨みが深い。 他にも、オランダのゴーダチーズやイタリアのパルミジャーノレッジャーノなどもとても美味しいです。これらも熟成が進むとアミノ酸の結晶が浮き出してきます。ブルーチーズがお好きな方であれば、 イタリアのゴルゴンゾーラ、イギリスのスティルトンが有名ですが、羊のミルクから作ったフランスのロックフォールもお勧めです。塩味も強いですが、鋭い香りと強い旨みを感じることができます。 チーズは世界中に3000種類もあるそうで、好みのチーズを探し出すときりがないですが、好みに合うチーズに出会ったときは喜びも一入です。

 日本に帰ってきてからも、チーズ専門店を見ると、「お気に入りはあるかな」と探すのが癖になってしまいました。ヨーロッパでもそれほど安くはないのですが、日本ではさらに手が届かず、 たまのぜいたくとして楽しんでいます。

 そろそろ鍋のシーズン。たまには珍しくチーズフォンデュなど楽しんでみてはいかがでしょうか。  

(D. I.)

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