ちょっと一言

「会誌広報委員会に参加して」2月号編集後記より

  朝ドラがクライマックスを迎えようとしています。ジャパニーズウィスキーの誕生に思いを馳せつつ、オンザロックでウィスキーを楽しむようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 さて、会誌広報委員会の活動に参加してから、早1年が過ぎようとしています。ようやく自分で企画した論文が「知財管理」の記事に掲載されました。今月は、企画論文を完成させるまでにあたって思ったことを書かせていただきます。

 企画論文はテーマを企画して、委員会内で様々な議論を経て、先生と面談して執筆を依頼することで完成します。当たり前の話ですが、仕事は人と人とのつながりで生まれることを実感しました。これまで知財の仕事は個人の力に拠るところが大きく、他人と協力することは少ないと思ってきました。しかし、それは狭い視野で知財の仕事の一部分を見ているだけだということに気がつきました。知財の仕事も書面をベースにしてではあるものの、自社の発明者、競合他社、特許事務所の先生、特許庁の審査官を始めとして、部内にあっては事務処理の担当者、社内では権利を活用する事業部など、たくさんの関わる人がいます。1人だけの仕事なんて存在しないと考えるようになりました。人と人とが関わることで仕事は生まれる点においては、知財の仕事であっても変わらないことを改めて考えさせられました。

 同時に他人に協力してもらえる、他人に協力できるようになるには、お互いが高いレベルにあって、精神的に自立していることが必要だと思いました。サッカーの本田圭佑選手がインタビューで「個の力」の重要性に触れていますが、個人個人が高いレベルになければそもそも力を合わせることもできないということを彼は言いたかったのではないでしょうか。
 最近は、会誌広報委員会の活動で社外の方々と協働するだけでなく、社内の開発部署の方々、特許事務所の先生、知財管理システムのエンジニアの方々と、さまざまな人と共同して仕事をする機会が増えてきました。知財の仕事は1人でやるものだと思っていた頃の自分は、自分の未熟さがために誰とも一緒に仕事ができなかったことの言い訳をしていたと思います。 「個の力」の向上に励みつつ、多くの人を巻き込んで、大きな仕事に取り組んでいけるように精進していこうと新年を迎えて気持ちを新たにしました。本年度も宜しくお願い致します。

(Y.M.)

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