ちょっと一言

池波正太郎の世界 −西浅草散歩−

久しぶりの半日休暇をとった。常盤新平「池波正太郎の東京・下町を歩く」ベスト新書を片手に、池波正太郎の世界を探索に行く。 まずは、昼食。12時過ぎから、オフィス内で検討し、悩みに悩んで35分かけて出した結論が「浅草の大黒屋の天丼」であった。2009年の元旦に行って、あまりの行列の長さに諦めた店である。

今回、時間をずらして13時に行った。しかしながら、またまた、長蛇の列。天丼にありつくまで1時間はかかりそうである。今回も諦めてしまった。仕方なく、駅前の「三定」に行く。操業から175年の老舗、江戸風情が満杯の天丼を食べる。ちょっと満足。

ぶらぶらとかっぱ橋商店街に向かう。

いい天気である。かつては多くの人で賑わったであろう商店街。すこし寂しくなったが、往時の面影が残っている。なんでもそろう面白い商店が並んでいる。

最終到達点は「かっぱ橋商店街」の端にある「池波正太郎記念文庫」。意外にも、「台東区生涯学習センター」という区の施設の中にあった。 こじんまりとした展示場だった。

池波正太郎の書斎が復元されている。大きくがっしりした机、きちんと並べられた筆記具、整理されて並べられている資料。池波正太郎が、いま散歩にでかけおり、もうすぐしたら帰ってくるような錯覚を覚える。

復元された書斎はガラスで囲まれているが、そのガラスに文字が書かれあり、「和室が好きなのだが、畳の部屋だとすぐ横になってしまう。横になることが出来ないように洋室にした」というようなことが書かれてあった。なんと人間的なことか。いい散歩であった。

(M.S.)

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