ちょっと一言

「大仕事のあとは・・・」12月号編集後記より

 谷口智則さんの「100にんのサンタクロース」という絵本をご存じでしょうか。ある街には100人ものサンタクロースが住んでいて,クリスマスにプレゼントを配るためにみんなで1年かけて準備します。100人はそれぞれ服装も役割も様々で,プレゼントを準備するのはもちろん,配る家の地図を描いたり,クリスマスツリーを育てたり,雪を降らせる練習をしたりと,みんな大忙し。クリスマス当日になればソリに乗ってプレゼントを届けに行くのですが,物語はそこで終わりません。プレゼントを配り終えると,100人のサンタだけでパーティーを始め,オーケストラや聖歌隊も登場して,100人でクリスマスをお祝いします。そんなクリスマスの舞台裏がとても温もりのあるタッチで可愛らしく描かれています。  
 クリスマスは,子どもにとっての一大イベントです。朝起きたら枕元に欲しかった物がある。毎年楽しみで仕方ありませんでした。そして,この絵本のように,私がクリスマスを楽しめていたのはいろいろな人のおかげです。サンタさんの存在は当然として,私の両親はサンタさんに私の希望を伝えるべく,私から上手にそれを聞き出さねばなりません。サンタさんといえども物の仕入先があるわけで,そこではお店の人が特別仕様のラッピングを一生懸命にしてくれていたことでしょう。イベントの成功は,多くの人が長い時間,熱い情熱を注いだ結果です。  
 この知財管理誌の発行にも多くの人が関わっており,みんなが各自の持ち場で長い時間をかけて準備しています。知財管理誌に掲載されている記事は,1週間やそこらで出来上がるものではありませんので,各コーナーの担当小委員会において,何か月も前に企画を立てています(特集号の記事ともなれば,1年以上前から準備しています)。そして,この原稿はこのくらいの時期に完成するだろうから,何か月先のこの号に掲載しようという予定を各記事について調整し,その進捗状況を厳格に管理しています。クリスマスは年に1回ですが,知財管理誌は毎月発行されますので,更に忙しいかもしれません。  
 そんなに大変な会誌広報委員会になぜ参加しているか。やはりそれは,100人サンタと同じく,パーティー(懇親会)が楽しみだからかもしれません(笑)。

(T.M.)

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