ちょっと一言

「箱根の紫陽花」6月号編集後記より

 梅雨の訪れとともに,色とりどりの紫陽花が咲き誇る姿が目に浮かびますね。紫陽花に惹かれて外出してみませんか? 紫陽花の名所は数多くありますが,やはり紫陽花は箱根です。箱根の紫陽花は山々や湖畔の景色との調和が美しく,山間部では少し遅れて紫陽花の季節がやってきます。そのため,6月から7月の長い期間,様々な品種を楽しむことができます。私は,箱根強羅と東京との2拠点生活をしており,梅雨の季節はむしろ多く外出します。そして,箱根登山鉄道の車窓からのあじさいを楽しみつつ強羅公園でカフェ休憩しながら温室のあじさい展を堪能しています。温室では鉢植えを,育てられないのに欲しくなります。
 箱根登山鉄道は,「あじさい電車」とも呼ばれます。他に,箱根で“あじさい”と名の付く名所はいくつあるのでしょうか? あじさい橋(箱根湯本),あじさい寺,あじさいの小径(大平台),紫陽花ロード…,他にもあるかもしれませんね。少しご紹介しましょう。
 塔ノ沢の阿弥陀寺(あじさい寺):塔ノ峰の中腹にある古刹です。駅から20分くらいの登山道の途中にあります。ハイキングの途中のご褒美として楽しんでいます。
 芦ノ湖畔(紫陽花ロード):湖畔に広がるあじさいの名所です。セグウェイツアーもあります。
 仙石原のはこね湿生花園:ヤマアジサイを楽しむことができます。
 他にも,宮城野早川沿い,箱根ガラスの森美術館,山のホテルなどの名所もあります。
 そして,箱根といえば温泉と大涌谷も有名です。箱根強羅の温泉は2種類あり,無色透明の強羅温泉と硫黄の大涌谷温泉があります。実は,大涌谷温泉は人工の温泉なのです。大涌谷のロープウェイから噴気が立ち上る様子をご覧になったことはありますか? 噴気の間に見えるパイプや装置では,火山ガスに含まれる成分を汲み上げた井戸水に取り込んで温泉を造成しているのです。近年は梅雨から夏にかけての記録的大雨で造成施設が破損する年も多く,温泉の供給が減少・停止したりすることもあります。そして,冬は硫黄が濃く,梅雨には薄くなりがちです。箱根は何事も自然の影響が大きいことを感じさせられます。

(K.I.)

  • 箱根強羅公園の紫陽花と雨傘
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