ちょっと一言
「知的財産特別授業」10月号編集後記より
先日,5年生の息子の小学校で「知財特別授業」があった。日本弁理士会近畿支部から二人の弁理士さんが来てくれて,プレゼンと寸劇で,初めて知財を学ぶ45分間。 せっかくの機会なので私も見学させてもらった。ゲームや動画でスレている今どきの小学生にどれだけ響くのか,実は少し心配していた。しかし,練られたストーリーに経験豊富な話術,次々と繰り出される発明品, クイズも実践もある観客参加型のやりとり,悪役を熱演する担任の先生…。こどもたちは最後まで引き付けられ,質問もたくさん出る,充実のステージ(もとい,授業)だった。
私が「知的財産」という言葉を初めて聞いたのはたぶん大学生のとき(またの名を「知的所有権」と言っていた時代)。小学生のうちに知財に触れるチャンスがあるのは, うらやましい。こどもには,未知のものを吸収する強い力があり,これから選べる広い未来がある。特許は出したら20年。20年後の社会で,もっと新しいものを生み出し, 事業を動かし,もしかしたら知財を担っているかもしれない。つくる,育てる,使う,守る,活かす。将来どんな職業に就くとしても,いま,創意工夫やものづくりの 楽しさを体験し,世の中にはアイデアをまねさせないしくみがあると知るのは,意義深いことだろう。
発明とは不便を解消することだと習ったこどもたち。課題を与えられて(荷物が多くて傘が持てない),解決を考える(洗濯ばさみで傘を服に留めたらええやん! →やってみる→痛いし!ずれるし!→爆笑!!)姿は,かわいくもあり,頼もしくもあった。
知財部って何してるん? 仕事おもしろいの? 給料いくらもらってるん?と,最近親の仕事に興味を持ったのかなと思っていたけれど。授業でもらってきた, はっぴょん(弁理士会のキャラクター)のパンフレットは開かず,熱心に野球マンガを読んでいる息子。世界を広げて,いつかやりたいことを見つけてね。
(Y.O.)