ちょっと一言
「学園祭シーズンに想うこと」11月号編集後記より
本号が発刊される頃には秋も深まり過ごしやすい季節になっていると思います。アフターファイブや週末にスポーツや読書を楽しむ方も多いのではないでしょうか。この時期は学園祭の季節でもあり今年も各大学の学園祭が目白押しのようですが、学生時代はバンドサークルに所属していた私にとっては年に一度の晴れ舞台であり、そこに向けてバンドの練習に没頭していた頃を思い出します。所属していたサークルは小学生の頃から好きだったビートルズを専門に演奏するコピーバンドで、ポール マッカートニーのファンだった私はベースギターとピアノ、ボーカルを担当していました。私の場合、楽器は練習量に応じて少しは上達するのですが、歌が全く上達せず大変苦労した思い出があります。一人でカラオケに行ってひたすら同じ曲を歌い続けたりもしましたが、どうしても上達せず、貯金していたバイト代を使って人知れずボーカルスクールに通って特訓しました。ボーカルスクールの先生からは、「喉ではなく、腹から声を出して!」、「メロディーに合わせて丁寧に息継ぎして!」、歌声は鼻に響かせるように音を伝えて!」等、様々な歌唱ノウハウのご教示を受けたおかげで1年後には少しはマシになったものの、歌の上手い他のバンドメンバーが私のパートをサラリと歌ったほうが上手かったりして、歌の上達に「実施可能要件」がないことをつくづく身をもって感じたのでありました。
大学を卒業して15年以上が経ち、サークルの仲間ともお互い仕事や家庭の忙しさからバンドをやろうなどという話をしなくなりましたが、今年の春にはポールマッカートニーが日本で素晴らしいライブを見せてくれて、感動と共にバンドの楽しい思い出がパッと鮮やかに蘇りました。なかなか自分の時間を持てない状況ですが、近い将来、また当時の仲間達と楽器片手にスタジオ入りして好きな曲を心ゆくまで演奏するのが秘かな楽しみになっております。
(T.A.)