ちょっと一言
「北陸新幹線の商標顛末」 知財管理3月号編集後記より
2015年3月14日は、北陸新幹線、金沢・富山〜長野間の開業日だそうで、金沢〜東京間が最速2時間28分で結ばれるとのことです。この北陸新幹線開業による経済効果は、 石川・富山の両県で、観光、ビジネスの旅行客は年間約53万人増え、波及効果(宿泊費や飲食費など)約212億円との試算があり、何とも景気の良い話ですね。さて、この北陸新幹線、さぞかし多くの最先端技術が活用されていると思いきや、意外や意外、知財では商標の方が話題先行の状況のようです。ネット検索の一例を紹介すると…
- 『北陸新幹線の愛称に?! JR西日本が名峰「つるぎ」などを商標 …』
- 『北陸新幹線「つるぎ」「かがやき」も商標出願 JR西「登録できぬ事態避けるため」』
さらに、興味深いのは、二つ目の記事でありまして、記事の概略は次のようなものでした。
- JR西日本と東日本は2013年5月31日〜6月30日に列車名を一般公募していた。
- 一方、商標登録出願「つるぎ」については2013年5月14日に申請済み。
- すなわち、公募期間前から商標登録の申請をしたことになるため、出来レースか?
なんて報道も一部ではあったようです。
これに対し、JR西日本は『公募で多くの人から支持を得たにもかかわらず、商標登録できない事態を避けるため、予め申請した。』『最初から列車名を決めていたわけでは ない。事前の出願が公募による列車名の決定に影響したことはない。』とのコメントを出しているようです。ちなみに、「つるぎ」は大阪〜新潟間を結んでいた夜行列車の名称で、 北陸の人に昔から馴染みのあるものであったとか。
このJR西日本の商標登録出願については、誤解を受けた部分もあったようですが、防衛的に先に出願せざるを得なかった上記のような状況を考えると至極当然のことでは ないかと思いました。
門外漢の商標について今回は少し興味を持ってみましたが、小職にとって、北陸新幹線といって連想することは、“特許”でも“商標”でもなく、やはり“北陸のブランド蟹” 。今年こそ、“美味しい”北陸出張の機会を願うばかりです。
(Y.D)