ちょっと一言

知財管理5月号編集後記より

 新緑が鮮やかな季節になりました。青空も、葉の間から降り注ぐ光も美しく、職場から飛び出してどこかへ行きたい衝動を抑えつつ、仕事に励んでいます。

 こんなにさわやかで、暑さ寒さを気にしなくていい頃は、思い立った日を吉日として、日帰り、時間が許すなら宿泊をしたい。ひとりで…。  そう、私はひとり旅が好きなのです。よく「寂しくないの?」と聞かれるのですが、寂しさはほとんど感じません。さすがに、20畳以上の大広間に一膳だけポツリとお夕飯が用意されていた時には一瞬ためらいましたが、そんな状況がむしろおかしく、仲居さんにかっぽ酒(青竹の筒にお酒を入れて燗を付けたもの)を注いでいただき、時間とお料理をおおいに堪能いたしました。

 誰にも気兼ねなく行動できる点が、ひとり旅を好む理由です。目的地を決める時は、1に神社、2に温泉、となりがちな私の旅。神社の由来を読んだり、摂社末社もお参りしたり、ぼーっとしたりと、やたら参拝に時間がかかります。さらに宿泊の場合は、可能であれば朝お風呂に入って早朝参拝をしますので、とても誰かをつき合わせる気にはなりません。

 とはいえ、私には運転ができないという最大の弱点があります。今年は伊勢、出雲の遷宮が重なるという大変貴重な年なのに、なぜか熊野に心がひかれております。さすがに電車とバスで行くのは厳しいのでどうしたものかと思案中ですが、ご縁があれば参ることができるであろうと楽観的に構えています。熊野ほど遠くない近場の神社でも、ずっとそこに在る時間を思ったり、自分が健やかであるから来られたのだと思うと、感慨深いものです。

 さて、今月の「知財管理誌」は、いかがでしたでしょうか。実務者への示唆に富んだ「均等論第3要件の意義・機能」、丁寧な解説による「平成23年特許法改正後の審判及び訴訟による紛争解決の実務」、商標法や模倣品・海賊版の水際防止についてなど、多彩な内容をお届けできたと思います。尚且つ、みなさまのお役に立てるよう、なにかしらの発見があるように、会誌広報委員会は今後も力を注いで行く所存です。

(K.I.)

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