ちょっと一言
知財管理9月号編集後記より
夏休みが終わって新学期が始まり日焼けした子供たちが元気に家の前を行き来するようになりました。まだまだ残暑厳しい日が続きますので健康管理には十分気を付けてください。今年の夏休みは如何お過ごしでしたか?節電対策で電気の使い方に工夫をされているのではないかと思いますが、その電気に関して世の中に目を向けてみると今年7月より「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートしました。太陽光や風力のエネルギーが代表として登場していますがバイオマスもその一つです。ここで話題を一つ紹介いたします。私は12年前バイオマスの一つである「家畜ふん尿」を利用したプロジェクトに携わりました。場所は北海道の東部、道東と呼ばれているところで日本でも有数の酪農業が営まれている地域です。乳用牛の頭数がとても多く町の人口をはるかに上回っていて、大地には広大な牧草地が延々と広がっています。それは言葉で表現できないくらい壮大な光景です。酪農家一戸あたり数百頭、数百haの大規模な酪農家が点在しています。この牛達は牧草を食べ、乳を出して牛乳を生産しますが当然、ふん尿を毎日排せつします。このプロジェクトによって、従来廃棄物として扱われるふん尿を毎日貯留タンクに共同で集めてメタン発酵させ、発生したバイオガスを発電機の燃料として利用して電気と熱を回収しました。一方メタン発酵後のふん尿は牧草地に戻され肥料として散布され、牧草は牛達によって食べられる、という資源循環のサイクルを作り出しました。余った電気は電力会社に売電されました。廃棄物を有効に利用してエルギーを回収し資源循環させて環境負荷を減らすプロジェクトでした。読者の皆様には、風景として緑の大地、真っ青な大空、どこまでもまっすぐに遥か彼方まで続く道路などを思い描けていただければ少しは気分転換になったのではないかと思っています。
(T. O.)