ちょっと一言

「今年を振り返って」 知財管理誌12月号編集後記より

 今年を振り返ってみるに、何といっても忘れられないのは、3月の東日本大震災です。被災された方々には、改めてお見舞いを申し上げます。悲惨な出来事ではありましたが、救援物資の配布が奪い合いにならず、列を作って順番を待ったり、隣近所で不足する物資を融通しあったりするなど、日本人の美質が表われた出来事でもありました。また、明治三陸地震に遭った被災者が残した「ここ(津波が届いた場所)より下に家を建てるべからず」という石碑に従った子孫が今回の津波の被害を免れたという、ノウハウの蓄積が生きた出来事もありました。

 明るいニュースもありました。特に、なでしこジャパンのW杯優勝は私たちを勇気づける出来事でありました。未明に起き出して、眠い目をこすりながらなでしこ達の戦いに一喜一憂した方も多かったかと思います。良くも悪くも個の力に頼りきりの他国の女子代表チームと異なり、コレクティブに攻め、守ったなでしこジャパンは、女子サッカーの歴史でも画期的なサッカーをしていたと思います。最後まで諦めず、粘り強く戦ったタフななでしこジャパンは、シンパシーを感じさせる良いチームでした。

 私たちの先祖は数々の災害・戦災を乗り越えて今日の社会を築き上げてきました。今回もそうなるよう、皆さんの知恵を結集していきましょう。

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