ちょっと一言
海をわたるチョウ
アサギマダラは春から夏にかけて北上し、夏から晩秋にかけて南下する渡りをするチョウです。 愛知で見つけたチョウが本州から1000Km以上離れた南大東島で発見されたこともあります。 どうやってわかったか?
実はこのチョウの生態を調べるためにチョウの羽に印をつけているんです。これをマーキングと呼んでいます。 日本各地にこのチョウに興味を持っている人がおり、捕まえた際に細字のマジックで、場所と日付を明記します。 再びある人がそのチョウを捕まえてどこから飛んできたかがわかるのです。 マジックで書けるのは羽の白い部分に燐粉が無いからであり、アゲハでは書けません。
羽ばたきが遅く飛ぶ姿には温和さを感じます。 どこに海を渡る力を秘めているのか不思議でたまりません。 また燐粉の無い部分がやや透けているため、光の反射と透過を通して、飛んでいるとき微妙に色が変わりきれいです。
10月上旬から11月上旬にかけて、愛知県内でも見ることができます。 特に渥美半島から三河湾にかけての海から急に山になるような場所でヒヨドリバナのあるところに群れを成します。 私は8月に蓼科で、10月には知多半島の内海でこのチョウが群れを成しているのを見ました。
そして2002年には家族で、2003年には内海フォレストパークでアサギマダラマーキングに参加しました。 数多くの人がマーキングに参加しており、中には1日に100頭を超えてマークした人もいます。 その人たちは片手にタオルを、片手にチョウ網をもってアサギマダラを捕まえています。 不思議なことにタオルをグルグル回すとそれめがけてアサギマダラは飛んでくるのです。
このチョウに興味のあるかたは秋、知多半島や、三河湾、佐久島でマーキングされては如何でしょうか? あなたのマーキングしたチョウが海を越え、沖縄や台湾で見つかるかも知れません。 私は海を渡る途中にどこでどのように羽を休めているのか興味を覚えます。
(K.M)